胃カメラは胃かいよう、胃がんなどの診断に欠かすことのできないものとなっている。胃カメラを飲んだことのあるひとも少なくないだろう。しかし、これが日本人の発明によるものだということは、意外に知られていないようである。杉浦睦夫は東京大学の宇治達郎氏、部下の深海正治氏らとともに、世界で初めて胃カメラを開発した。その技術は「内視鏡技術」、あるいは「ファイバースコープ」として発展し、各方面で広く使われている。
1949年 (昭和24年) 8月、当時杉浦が務めていたオリンパス光学工業の諏訪工場に宇治達郎氏が訪ねてきた。彼は胃の中を撮影できるカメラの開発を依頼しに来たのである。口から飲めるような小さなカメラを作れるのか、光のない胃の中で写真の撮影ができるか。そのような困難に果敢に挑戦した医者と技術者のコンビが胃カメラに発明につながった。胃カメラ開発物語の詳細はホームページ「 胃カメラを知っていますか」をご覧ください。
杉浦睦夫はその後オリンパスを退社して、1958年 (昭和33年) 光学分野の研究開発業務を専門とする株式会社杉浦研究所を創業した。